暮らしの道具と アートピースの融合 Timo Sarpaneva(ティモ・サルパネヴァ)の Bird Bottle(バードボトル)
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食器
ころんとしたフォルムにくちばしのような注ぎ口が愛らしいこのボトルは通称Bird Bottle(バードボトル)。
Kaj Franck(カイ・フランク)、Tapio Wirkkala(タピオ・ヴィルカラ)と並び、フィンランド3大デザイナーの1人と言われるTimo Sarpaneva(ティモ・サルパネヴァ)が1956年にデザインしたもの。
1957年から1968年まで生産され、現在でもヴィンテージとして高い人気があります。
形吹きガラスの技法によって作られているため、気泡が入っていたり、ガラスの厚みにバラ付きがあるのもヴィンテージらしい風合い。
i-color(iカラー)と呼ばれる、少しくすんだ色味がなんともシックです。
底に、1つひとつカットサインが入れられているのもプレミアム感を増しています。
サルパネヴァは1926年ヘルシンキ生まれ。
ヘルシンキ美術工芸大学でグラフィックデザインを専攻する学生だった頃、様々なジャンルのデザインコンペに出品。
1948年、リヒマキ・ガラス主催の国際コンペティションで第2等を受賞したことからガラス工芸の世界に傾倒していきます。
1950年、ittala(イッタラ)社のデザイナーになると、様々なアートピースを発表します。
1954年に発表したOrkidea(オルキディア)。
同年のミラノトリエンナーレでグランプリを受賞し世界の脚光を浴びます。
オルキディアに先立って1951年から製造されたDevil`s Churnコレクション。
子供の頃に指で氷に穴を開けて遊んだ体験をヒントにデザインされたそう。
この頃の作品はフィンランドの分厚い氷を連想させる、肉厚なガラスです。
イッタラ社の先輩であり、後にベストセラーとなるTEEMA(ティーマ)の前身、KILTA(キルタ)を1948年に発表していたカイ・フランクと対照的な作風と評されていました。
イッタラのiマークもデザイン
初期にはアートピースを中心に発表していたサルパネヴァが、はじめて本格的に日常使いのプロダクトに挑んだのが、バードボトルを含む、i-lineシリーズでした。
アートと日用のためのガラス器の中間を作り上げようとしたんですね。
グラフィックデザイナーでもあるサルパネヴァは、パッケージデザインとロゴマークも担当。
現在でもおなじみのイッタラ社のiマークは、このとき誕生したものなんです。
通称、バードボトルの正式名称はi-401。
少しスマートなタイプはi-400。
こちらはどっしりした量感が頼もしくて好感が持てますね。
こちらはi-403。フィンランドの海を思わせる淡いブルーが美しいキャラフェです。
バードボトルやキャラフェと一緒に使いたいタンブラー。i-103。
iラインは現在、ヴィンテージとなっており残念ながら入手困難です。
価格はバードボトルが3万円から4万円といったところ。
サルパネヴァのデザインを暮らしに
でも、現行品で手に入りやすいサルパネヴァのガラス器もありますよ。
サルパネヴァがDESIGN HOUSE Stockholm(デザイン・ハウス・ストックホルム)のためにデザインしたタンブラー。
その名もTIMO GLASS(ティモ グラス)。価格は1,026円(税込)。
自らの名を冠しただけあって、サルパネヴァ自身「最高のデザイン!」と語っていたそうです。
中心部が膨らんだデザインはiラインのタンブラーに通じるものがあります。
耐熱ガラスなので熱い飲み物にも使えます。
リーズナブルな価格で、とても丈夫なので安心して普段使いできますよね。
日常に、アートの香りのするデザインを気軽に取り入れられるのは嬉しいことです。
●Timo Sarpaneva/ティモ・サルパネヴァ(1926ー2006)
1926年ヘルシンキに生まれる。
名門校、ヘルシンキ芸術デザイン大学(UIAH)の前身である、ヘルシンキ美術工芸大学のグラフィックデザイン学科を1948年に卒業。
フィンランドのガラスメーカーAhlstrom社に勤務の後、イッタラでデザイナーに。
iラインなどのガラス器から鋳鉄製のキャセロール、陶磁器、テキスタイルまで、数々のデザインを世に送り出した。
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