「孤高の天才」Finn Juhl(フィン・ユール)のペリカンチェア。

背もたれから左右に張り出した翼のようなアームが印象的なペリカンチェア。

まるで湖に降り立ったペリカンのようだということでこの名がつきました。
デザインしたのはデンマークの建築家で家具デザイナーのFinn Juhl(フィン・ユール)。

●デザイナー／Finn Juhl(フィン・ユール)
フィン・ユールは芸術的ともいえる独特のデザインを持つイスを数多く残しており、別名“家具の彫刻家”。
その作風について本人が「フランスの芸術家ジャン・アルプとデンマークの彫刻家エリック・トメセンから影響を受けた」と語っています。確かにペリカンチェアはジャン・アルプのシュルレアリスム的彫刻作品がそのままイスになったかのような有機的なデザイン。
圧倒的な造形力ゆえにフィン・ユールの作品は当初、量産が難しいとされ、現在、残されている初期の製品には高額で取引されているものもあります。その家具作りは、フィン・ユールが描くデザイン画を元に職人が試作を重ねながら一つひとつ完成させていくというもの。そのため、初期製品では同じ品番でもサイズが数センチも違っているものもあるそうです。
現在では多くのファンを持つフィン・ユールですが、ペリカンチェアを発表した当時のデニッシュデザイン界では異端とされ受け入れられませんでした。建築家を志したフィン・ユールは多くのデンマークの家具デザイナーと違い、差物職人としての技能と資格を持ちませんでした。そのことが彼のデザインを独特なものにしたのかもしれません。
フィン・ユールが世に出るきっかけとなったのは、1952年にニューヨークの国連ビルにある国際信託統治委員会会議場のインテリアを担当し好評を得たことでした。そして、その後、ヤコブセン、ウェグナーと共にデニッシュデザインを牽引し世界に広めていくことになります。

(画像：国際信託統治委員会会議場)
孤高の天才とも言われたフィン・ユールの家具は、現在、高い技術力に定評のある日本のキタニがライセンス生産しています。芸術品のような名作イスを日常に取り入れることが出来るのは嬉しいですね。

<ペリカンチェアのある風景>

snap by instagram

モノトーンを基調にしたインテリアに青いペリカンチェアがアクセントになっていますね。

コペンハーゲンの美術館のようです。色とりどりのペリカン達がおしゃべりをしているようですね^^

白をふんだんに使った清潔感のあるインテリア。ペリカンチェアのウッドが優しい雰囲気を演出しています。

真っ赤なペリカンチェアがアクセントに。ウニッコ柄のクッションで北欧コーディネートですね◎

いかがでしたでしょうか？

日本の市場価格では65万円前後と非常に高価なペリカンチェアですが、

その独特の佇まいをいつかお部屋に迎えたいですね。