北欧デザインに新風を吹き込む 気鋭のデザイナーが送る muuto(ムート)のプロダクトに注目!
muuto(ムート)は2006年、Peter Bonnén (ピーター・ボーネン)と Kristian Byrge(クリスチャン・ビエ)の2人がデンマークで設立したデザインブランド。
その目的は北欧諸国から探し出した新進気鋭のデザイナーたちに自由な表現をしてもらい、北欧デザインの新たな地平を切り開くこと。
Muutoというブランドネームはフィンランド語で変化、変革を意味するmuutosからきています。スカンジナビアの伝統的なスタイルを新しい視点から捉え直した数々のアイテムは、まさに北欧デザインの変革を感じさせるもの。
暮らしの中に新鮮な風を呼び込んでくれるムートのプロダクトと、そのデザイナーを紹介しましょう。
RAW Lounge Arm Chair(ロウ・ラウンジ・アーム・チェア)は、全体のシルエットは伝統的なアームチェア。どこかウェグナーのザ・チェアを思わせる風格さえ漂わせています。しかし、よく見ると表面の仕上げに独特の質感が。じつは手持ちの糸鋸で削り出した部材で作られているのです。
正当派のフォルムでありながら強烈な印象を与えるこのイスをデザインしたのはスウェーデンの若手、Jens Fager(イェンス・ファーゲル)。
< iittalaのデザインでも知られるHarri Koskinen(ハッリ・コスキネン)も参加 >
Cosy in Gray Lamp(コージー・イン・グレイ・ランプ)。
ガラスのシェードの中に浮かび上がる特徴的な電球。マウスブローによって作られたランプは手作りならではの仕上がり。グレーのグラデーションになったガラスが光を様々な方向に反射させてムードを演出してくれます。照明として使っていないときは、そこにあるだけでオブジェとしての存在感を発揮。ケーブルをなるべく目立たなくするためにクリアにするという細かい配慮も。
デザインしたのはHarri Koskinen(ハッリ・コスキネン)。1970年、フィンランド生まれのコスキネンは現代北欧デザインを牽引する実力派。以前、ブロックランプの記事でも取り上げましたね^^
iittalaの専属デザイナーとしても活躍しているほか、マリメッコ、マジス、無印良品、スワロフスキーなどからもデザインを依頼されています。
Bulky tea set(バルキー・ティー・セット)。
ころんとしたフォルムがかわいい大きめサイズのティーセット。まるまるとしたポットはおとぎ話に出て来るバルキー(マッチョ)な兵隊さんを思わせます。絵本の中のお茶会気分を楽しめそうですね。
デザインしたのはスウェーデンの若手デザイナーJonas Wagell(ヨナス・ワゲル)。
MHY Pendant Lamp(MHYペンダント・ランプ)もファンタジーの世界に登場しそうなシルエット。実際にデザイナーが幼い頃に読んだ本のイラストやキャラクターがヒントになっているそうです。個性的ではありながらシンプルなので、どんな空間にもマッチしそう。
デザイナーはオスロ出身の若手3人組、Norway Says(ノルウェー・セイズ)。ノルウェーはじめ内外でデザイン賞を受賞する気鋭のデザイン集団。
こちらもノルウェー・セイズによるPlus Salt and Pepper mills(Plusソルト・アンド・ペッパー・ミル)。積み木を重ねたようなシンプルでかわいらしいデザインはさすがですね。1万円前後で販売されていて、ミルとしてはちょっとお高いですがぜひテーブルに置きたい名品の風格があります。
< 革新的でありながら忘れていないスカンジナビアの心 >
STACKED – Shelf System(スタックト・シェルフシステム)は3つのサイズと2つのカラーのボックスを自由に組み合わせて、自分だけの収納を作るシステム。きちんと四角く組み合わせるか、わざとラフに積み上げるか。使う人のセンスで、その表情が変わります。
デザインはコペンハーゲンを拠点として活躍するJulien De Smedt(ジュリアン・ドゥ・スメド)。
The More The Merrier Candlestick(ザ・モア・ザ・メゥリヤー・キャンドルスティック)。
差し込み口の付いたキャンドルホルダーを曲線的なアームで繋げて自由な形を作ることが出来ます。シンプルにするのもゴージャスにするのもあなた次第。その日の気分で食卓のムードを変えてみるのも面白いかもしれませんね。
デザイナーはLouise Campbell (ルイス・キャンベル)。デンマークデザイン賞の受賞経験もあり、次代の北欧デザインのキーパーソン。
Closely separated(クロースリー・セパレーテッド)。
一見、カップやボウル、プレートなどの食器が乱雑に重ねられたオブジェ。じつは大胆なデザインのフラワーベースになっています。季節の花との組み合わせで様々な顔を見せてくれます。
デザイナーはMichael Geertsen(マイケル・ギルツェン)。工芸、美術の世界で活躍する若手作家。多くの作品が美術館に収蔵されています。
ここに上げたほかにもムートのプロダクトは数多くありますが、共通しているのは革新的でありながら、北欧デザインらしいシンプルさと機能性を保っていること。
スカンジナビアからの新風、ムートから目が離せません。
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