テーブルを華やかに彩るArabia(アラビア)の名作Paratiisi(パラティッシ)
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食器
豊かなタッチで描かれた、瑞々しい草花やフルーツ。
テーブルを華やかにしてくれるArabia(アラビア)のParatiisi(パラティッシ)。
Birger Kaipiainen(ビルガー・カイピアイネン)によって1969年にデザインされました。
最初に作られたのはイエローとブルーの「イエローパラティッシ」。
プレートやボウルがオーバルなのが特徴でした。
華麗で高級感のあるパラティッシは、高価なシリーズでしたが大人気となり富裕層はもちろん庶民も争って買い求めるようになります。
一般家庭では記念日にプレゼントしあったりして、少しずつパラティッシを揃えて行くことが多かったそうです。
フィンランド語で楽園を意味するパラティッシは、その名に相応しく、幻想的とも言えるような深い魅力を湛えていますよね。
イエローパラティッシの人気を受けて登場したカラーバリエーションがブラックでした。
フィンランドの冬をイメージしたといわれるこのブラックもまた大人気に。
しかし、1974年、アラビアは経営危機に陥り、人員削減とともにアイテムも減らさざるを得なくなります。
そんな中で、パラティッシも廃盤になってしまったのでした。
(snap by instagram)
しかし、その後もパラティッシの人気は根強く、アラビアが経営を立て直した後の1988年に、まずイエローパラティッシが再び生産されるようになります。
ちなみに当時はブラックとイエローしかなかったので、イエローパラティッシではなく単にカラーパラティッシと呼ばれていました。
そして、2000年にはブラックも再登場します。
しかし、1988年に再登場したパラティッシはオリジナルと比べて大きな変更点がありました。
オーバルではなく円形になっていたんですね。
この変更にあたってはカイピアイネン自身が納得のいくまでデザインに手を入れたそうです。
パープルパラティッシの登場で人気沸騰!
そして2012年、新たに加わったバリエーションがパープル。
北欧の有名百貨店ストックマンの創業150周年を記念しての限定発売ということもあり大きな話題に。
日本でもパラティッシ人気が再び急上昇することになりました。
(snap by instagram)
どのカラーもそれぞれ素敵。プレート一枚あるだけで華やかですし、セットで揃えたり、違う色を組み合わせるとさらにゴージャスなムードに。
カイピアイネンは大のパーティ好きで、学生時代からの親友だったマリメッコの創業者、アルミ・ラティアたちとしばしばパーティを楽しんだのだそう。
パラティッシの華やかさは、そんなカイピアイネンの暮らしを反映しているのかもしれませんね。
(snap by instagram)
熱心なコレクターも多いパラティッシですが、これからはじめて手にするなら、まずはカップ&ソーサーがいいかも。
(snap by instagram)
セットで使うのはもちろん、ソーサーにケーキやパンを乗せたり、取り皿として使ったり。
カップ&ソーサーだけでいろいろ楽しめますよ。
カップ&ソーサーだけでも、テーブルが華やかになるのが嬉しいですね。
そして、その魅力にはまって、コレクターになってしまう……。
そんなコースになりそうですね^^;
●Birger Kaipiainen/ビルガー・カイピアイネン(1915ー1988)
フィンランド、ポリ生まれ。
幼い頃からアートに興味を持ちヘルシンキのCentral School of Arts and Craftsで学ぶ。
1937年、22歳のときから1988年73歳で亡くなるまでの51年間もの間、アラビア社で活躍した。
(途中、4年間はスウェーデンのロールストランド社に在籍)
パラティッシ以前にはアートピースの名作が多く、「陶芸界のプリンス」、「デコレーションの王様」と呼ばれた。
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